The Beauty
施工事例と経年変化
夢見橋
JR日南駅から、さらに海辺に向かって一駅。訪れたのは3月半ば、晴天で少し暑いと感じる日でした。
堀川運河の河口近く、そこには広大なウッドデッキが水辺をまたぐように広がり、その両岸に渡されているのが立派な木組みづくりの「夢見橋」。この一連の建造物が竣工したのは2007年8月のこと。橋は飫肥杉の大径木と地元の飫肥石で、デッキは通常の飫肥杉を用いてつくられました。
現地撮影時点で、施工からおよそ17年。
水辺に無塗装で施工されたウッドデッキは見る限り腐食したところもなく、17年の痩せや削れはあるものの、整然と並んだ目地もまっすぐなまま。
木技センターの暴露試験にあった、20年経過のサンプルの3年後にできあがったデッキですが、こちらは常に土足歩行や汚れなどの実用に晒されています。腐食によって部分的にその強度が失われれば、たちどころに大きなダメージへと拡大していくであろう環境で、試験と同様非常に良好な経緯となっていることを確認しました。
このデッキにおいて、最も腐食リスクが高いと思われるのが写真の部分です。
業者立ち会いのもと取り出されたこの小さな木片は、深く掘られたビス穴の蓋として埋め込まれたものです。ごく小さな体積に対し、水を保持した全面から侵食される環境ですが、しかし見る限り腐食した様子は確認できませんでした。
このデッキの様子は、このページのギャラリーに写真を収録しておりますので是非ご高覧ください。筆者個人の感想になりますが、銀白色に色抜けして、時を刻んだ、これからも刻んでいくであろうその姿は重厚で優しく、とても美しいと思います。
おわりに
「Journey」のページを最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このサイトのトップページに「Cryptomeria "OBI" Japonica」という見慣れないタイトルがあります。
クリプトメリア・ヤポニカというラテン語、これは日本の固有種であるスギを総括した学名。その語句、クリプトメリアの表すものは「そこにしかない至宝」といったニュアンスになります。
類稀な耐候性能は、生活や暮らしに永く寄り添える材としてのポテンシャルとして。
高いクオリティと安定性を誇る製材・加工、それと連携する研究センターの存在。
その一連のつながりと、私たちを含むパートナーシップの要素が「至宝」に新たな可能性を拓くこと
植村産業モデルとして展開する外壁とデッキが誕生した経緯が、ここにあります。
結びになりますが、ここで飫肥杉を通してご縁をいただく皆さまに、木とときを重ねる豊かな愉しみがひとつでも多く届けられることを願っております。
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